竿の調子って? 調子の違いでやり取りが変わる!
釣り師なら当然聞いた事があると思う【調子】ですが、この調子はこういう特徴がある、といったところまでは深く意識されていない人も多いかもしれません。
そこで一旦、釣竿の調子についてまとめてみました。
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おおまかな3つの調子
釣竿の調子には大きな分類として3つの調子があります。
- 先調子(7:3調子)
- 本調子(6:4調子)
- 胴調子(5:5調子)
の3つです。この調子の違いにより、魚がかかった時、釣り師の動きが多少変わってきます。実際使った感じからすると、本調子と胴調子は厳密には違いますが同じ系統の性格を持っていると思ってもらっていいと思います。
調子の意味って?
すごく簡単に伝わり易く説明すると、
【魚がかかった時に魚の引きを受け止めてくれる位置】と考えてもらって大丈夫だと思います。つまり一番竿がよく曲がるポイントという事です。
そう理解してもらう事で上記3つの調子がどういった竿かイメージしやすくなりますね。
そうです。先調子は竿の先の方で魚を受け止め、本調子は真ん中より先端気味で受ける。胴調子は竿の真ん中でどっしり受け止めるということです。
シマノの竿は先調子気味に設定されている事が多いです。先調子の竿はハリがあるので穂先がブレず、初心者にも操作がしやすい特徴があります。最近は先調子の竿が多く選択肢が多岐に渡りますね。是非チェックしてみてください。
画像で見れば一目瞭然ですね。7:3調子の竿は竿を10分割した時、下から7つ目と上から3つ目のつなぎ目が最も粘り腰が効くポイントです。
6:4調子は下から6つ目と上から4つ目の接点がもっとも粘りが効くポイントということですね。
調子ごとの竿の性格
これは各メーカーや使用カーボン素材の弾性などで多少変わってくるかもしれませんが、大まかには以下の通りの理解で大丈夫かと思いますので説明しますね。
先調子は釣り師主導の攻撃型
先調子の竿は胴の部分が固く、魚の引きをパワーで押さえつけ半ば強引に上へ引き上げ浮かせる、といった【先手必勝釣り師主導の釣り】を展開するのに向いています。一般的な磯竿は先調子です。これは磯のグレをターゲットにしているからなのですが、グレとは岩礁の隙間などに生息し、コマセで浮いてきて、住処から出てエサを摂ります。その時ハリにかかり危険を感じると一気に住処へ潜り込もうとするんですね。つまり根に入って行くという事です。この動向を許してしまえばいくつウキがあっても足りません。(笑)ラインブレイク祭りになってしまいます。そんな事態を回避するためにハリ掛かりしたらすぐに釣り師が主導権を握り根から遠ざける攻撃を仕掛ける為に先調子の竿があります。胴部分がとても強くロッドパワーで浮かせるんですね。攻撃的に浮かせにかかるので大会など手返しのよさが大事な競技としての釣りには先調子が最適です。
胴調子は魚主導の防御型
胴調子の竿は先調子とは逆に胴部分が高弾性で、魚の引きを柔軟に吸収するしなやかさを持っています。魚に竿の反発力をあまり与えないので魚が暴れにくく、暴れても力を吸収され疲れて浮いてしまう。そんな【魚主導の鉄壁防御の釣り】を展開するのに向いてます。この竿の特徴を活かしやすい対象魚はまさにチヌです。チヌはハリにかかるとご存知の通り頭を左右に振り、ハリを外そうとしてきます。これが【竿を叩く】独特の引きの正体ですよね。またチヌはグレと違い、根に潜るようなタイプではなく沖に走ったり根に沿って走ったりとどちらかというと走るタイプの魚です。なので強引に引き上げるより防御に徹し引きを溜めて吸収し魚の攻撃を防ぎきったところで悠々と浮かせにかかる釣りが展開する方が安全に仕留めることができます。また竿がよくしなり釣味がいいのも胴調子の特徴ですね。またしなやかな胴で魚のパワーをいなすため細いラインを使用することができます。警戒心の強いチヌにぴったりの竿だという事がよくわかりますね。
胴調子といえば今の時代ならこのDXRがコスト、性能でもピカイチではないでしょうか。もしくは高額になりますが、がまかつのがま磯アテンダーⅡが国内最高峰胴調子かと思われます。是非チェックしてみてください。
調子まとめ
- おおまかな竿の調子は先調子、本調子、胴調子の3つ
- 調子とは魚のパワーを受け止める位置
- 調子の違いで魚とのやり取りの仕方が大きく変わる
- 先調子は先手攻撃型でバットパワーで浮かせる釣り
- 胴調子は鉄壁防御型で魚をいなし疲弊させ浮かせる釣り
- 先調子は短期決戦太仕掛け向き(競技向き)
- 胴調子は長期持久戦細仕掛け向き(釣味がいい)
僕個人としてはやはり魚をいなし疲れさせ悠々と取り込む胴調子が好きです。ここは個人の好みになってくるとは思います。勿論チヌを釣る場合でも先調子で大丈夫ですが細い仕掛けを使う際は注意してください。竿がしゃっきりしてる分ラインへかかる負荷を吸収しきれなくてラインブレイクする事があります。胴調子は竿のしなやかさでライン負荷を分散できますが、根に走る魚を強引に引きもどすには高いレベルのロッドワーク技術が必要になります。その技術が足りない場合、魚に軍配が上がり根ずれで切られてしまいます。それぞれの竿の特徴を活かす事を意識して釣りをするのもまた楽しいですね。胴調子好きの僕はもっとロッドワーク技術をあげるよう精進します・・・(笑)