黒鯛戦線 チヌの人 

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チヌの釣り方① ウキフカセ釣り

このページは色々な釣りものも紹介する予定ですが、やっぱりメインはチヌ!

ということで、色んなチヌの釣り方を説明します。

食性が多彩で様々な釣法で狙える事も、チヌという魚が人気の対処魚である理由ですね。まず最初はフカセ釣りの説明からです。

 

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■本来のフカセ釣りとは

フカセ釣りをしています。という人のほとんどが本当のフカセ釣りをしている事はありません。「フカセ釣り」という釣法は、仕掛けにウキやガン玉を一切使用せず、エサとハリ、糸の重さだけで仕掛けを漂わせて(漂わせることを「フカセる」といいます)魚を獲る釣り方なんです。どの釣り方よりも違和感を排除した釣りのため、喰い込みがよく理にかなっている釣りといえます。

ですが、本当の意味のフカセ釣りだと大きな欠点もあります。それはリールが付いていない為、竿の長さ分もしくは竿の寸法+αの範囲だけしか釣ることができないのです。

そして「フカセ釣り」ではコマセ(撒き餌)を使用します。コマセで魚を寄せ集めて、コマセの中に余分なものが一切付いていないツケエを紛れ込ませ、違和感なく釣るのです。これぞまさに「同調」ですね。コマセを投げる柄杓もシャフト材質、カップ材質が様々です。これはまた別の機会にお話しします。

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■欠点のリカバリ

 

先ほど伝えた「フカセ釣り」の問題点を解決するためにフカセを進化させた仕掛けが考案されました。それこそが多くの人が「フカセ釣り」と呼んでいる「ウキフカセ釣り」です。リールにウキ、ウキ止め糸を装備し、あらゆるタナを探ることが可能になったんですね。またガン玉を巧みに打ち、潮流次第で仕掛けを調整し釣り師が扱いやすい仕掛けにチューニングできるようになってきたんですね。ガン玉の打ち方も偉大な先人達が試行錯誤の上、様々なセオリーが誕生しました。

 

■ウキの機能

 

釣りを始めたばかりの方は、ウキの機能を「アタリを取る」道具であると答えると思います。そしてそれは正解です。海の魚達がエサに何らかのアクションを起こした事を「可視化」してくれるんですね。ただ、まだまだウキの役割はあるんです。それを説明します。

・遠投性

本来のフカセ釣りの仕掛けにリールを使用し、糸の長さを自在に変えたとしてもどうしても問題が起きるのはエサ、ハリの重さしかないが故の「遠投性の低さ」です。軽い物をどれだけ大きく振りかぶっても遠くへは投げれません。つまり、沖のポイントは捨てなければならなくなるんです。そこで自重のあるウキを使用する事で、遠心力と竿のしなりを使い、仕掛けを遠くへ飛ばす事が出来るようにり、沖のポイントもダイレクトに打てるように進化しました。

・潮流れの可視化

これもウキがあるほうが断然有利になります。沖の堤防などでは堤防の形状や風の影響等で複雑な潮の流れが発生している事が多くあります。完全フカセは糸、ハリ、ツケエのみでフカセるので厳密にどの位置に仕掛けが送り込まれているのかの判断がつきにくいです。しかし、ウキがある事により潮と潮がぶつかり「流れが溜まる場所」を見つける事が出来たり、「潮の方向が変化する場所」をウキが目に見えるようにしてくれるのです。右へ流れていたウキがあるポイントで止まり流れ無くなった時は、そこで潮どうしがぶつかり合い流れをとどめている場所だという事。つまり、「コマセが溜まっている場所」の可能性があるわけです。たくさんのコマセが効いている場所に魚が集まる可能性は高く、「アタリの予知」ができるようなります。

 

 

■探るタナの安定

これは一長一短ですが、魚のいる棚が分からない場合は、ウキ止め糸を外して表層から底まで全域を探る全層釣法で広く居場所を探る事で釣果に恵まれることもあります。しかし、魚のいるタナがはっきりとわかっているのであれば、ウキ止め糸を調整し狙いのタナをピンポイントで打つ方が非常に効率のいい釣りを展開できます。また初心者の方は仕掛けを落とすだけでタナをキープしやすく難しいラインコントロールも不要になりますので、初心者の方でも魚に出会える可能性が高まります。釣り開始時はウキ止め糸をかなり上あげてガン玉を外し、全層釣法でスタートし、タナを探り当てたらウキ止め糸を調節し半誘導でタナをキープするなんで事も可能です。

 

■フカセ釣りまとめ

  • 本来の「フカセ釣り」は竿、糸、ハリ、エサのみで漂わせるシンプル仕掛け
  • 浅めのタナまでしか探れない欠点を補うため「ウキフカセ釣り」が考案された
  • コマセでツケエをカモフラージュする事で最大限の効果を発揮する
  • 「アタリを取る」以外に、「遠投性」、「潮流の可視化」の役割を果たす
  • 初心者でも確実に探るタナを安定させる事が出来る
  • 全層から半誘導までワンタッチで性格の違う仕掛けを使い分ける事が出来る

いかがだったでしょうか。なんとも幅広い釣りが展開できる面白い釣りだという事がわかっていただけたと思いますこのように様々な思惑と試行錯誤の末に獲る一枚は本当にうれしいものですね。「釣り好きだなんて気が長い人なんだな」なんてとんでもない。釣り人はじっとしているようで常に頭はフル回転、こまごまと手を変え品を変えむしろ気が短いのではないかと思う次第です(笑)


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