黒鯛戦線 チヌの人 

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チヌ釣りにおけるハリスの細さについて 魚の視力でハリスは見える?

みなさんこんばんは。

段々と日が伸びて、厳しい寒さも和らぐ日が増えてきましたね。チヌといえば本格的な乗っ込みが始まります!楽しみですね!

シーズンインの前にしっかり道具をそろえておきましょう。今日はラインの中でも魚に最も接近する【ハリス】のお話。

 

そもそも魚の視力は? 

魚に関する様々な本が出ています。細かな実験を踏まえた上でのデータ公開や長年の釣り師としての間隔をできるだけ文字として書き起こした秘伝書等、あらゆる書籍がありますが、どこの書籍にも一貫して共通している魚への認識があります。

ズバリそれが魚の視力。魚の視力は悪いという認識はどの書籍でも一致しています。人間と魚では住む環境が違いますので、光の伝わり方も異なります。なので一概にこうだ!とは言えないのですが、人間の視力の測定法をあてはめたとすると、魚の視力は0.2以下といわれる事が非常に多いです。

次に気になる魚の視野

視力は悪いとの説が一般的だという事がわかりました。次はその視野の範囲です。これも多くの人がイメージを持たれていると思いますが魚の視野は広い。これは正解です。

魚の目を見ればわかるように、魚対より眼のレンズがはみ出し気味で、体の側面に付いています。このため魚は自分のほぼ背後までを見渡す超広角レンズを持っているということです。

見えている魚に近づいて行った際、背後からの接近なのに逃げられてしまった経験をお持ちの方もいるかと思います。なぜ逃げられたのか。そうです!魚は自分の背後に近づく人影をしっかり見ていたからです。

この超広角は非常に強力ですが弱点もあります。それはズバリ両眼視野の狭さです。人間は約100度の両眼視野、つまり立体視できる視野を持っていますが、魚は立体視可能エリア、其々の目の視覚の被っている範囲が30度程度なんです。

きちんと「何かが海中にある」と見えるのは鈎上30cm程度で前方10cm程のごく狭い範囲という事です。

 

見切られる、の真の意味

上記内容から分かることは魚はハリスがそこまで見えている訳ではなく、ハリスを危険であると警戒する判断力も持ち合わせていません。ではなぜ「見切られる」といった事態が発生し、細ハリス小鈎がいい結果に繋がることが多いのでしょうか。

これは警戒心を高めている魚は、捕食対象を漂い方(動き方)で判断しているからだと言われています。ハリスが太ければ太い程、潮流の影響、沈下速度に影響が出て不自然さを追加していきます。なければない程いいんです。だからハリスがより細く、より「無い」に近い状態を作り出し、ツケエの流れに影響を与えないようにすると釣果に結びつくことが多いんです。見切る、とはハリスを【見切る】のではなくエサの動きを【見切る】事だったんですね。

 チヌはハリスを見切るのか

 答えを言うと見切ります。ただし、前述の通り漂い方の違和感を見切るんです。魚種によっては「ハリスが見えてるんじゃないのか?」と思いたくなる場合もありますが、ほとんどの魚はハリスを視覚的に捉えていません。特にチヌに起きましては見る方向の得意分野が下という事も相まってそこまでハリスが見えるのではと不安になる必要はありません。ハリスが下から出てくる事はあり得ませんので必然的に自分の上方をそこまで注視していないチヌはハリスが視覚に収まっている範囲が非常に狭いです。

ただし、警戒心が強い神経質な事も事実で、漂い方に不自然さを感じたら全く食わなくなります。これは落とし込み釣りでビギナーとベテランの釣果差が激しい事で証明されているのではないでしょうか。なので、フカセでもなるべく不自然さを取り除くため、細めの1.2〜1.5号程度のハリスがよく使われます。

「チヌにそんな太いハリスいらない」とかではないんです。チヌが警戒心を解いてくれるレベルの自然さを出せる号数がその太さなだけなんです。

どんな不自然でも食ってくるなら太いほうがキャッチできる可能性が高いんだから誰でもすごく太い糸を使いますよね?つまりはそういうことなんです。魚の引きというよりも生息環境と警戒心レベルの兼ね合いだったんですね。

逆にどんな状況でもどんな号数でも自然なツケエを演出できる!と自信があるなら太ハリスで掛けていく挑戦も楽しいかもしれませんね!

 

僕はそうですね…道具のパワーで押し切る釣りは味気なくて苦手なので…やっぱり細めのハリスでチヌを掛けたいですね…笑

是非みなさんも自分のハリス理論を考えてみてください!長さと細さと針の組み合わせだけでもかなりの引き出し増加になりそうですよね!

 

それではまた!