黒鯛戦線 チヌの人 

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初心者に最もオススメ!チヌの釣り方② 紀州釣り

みなさんご機嫌うるわしゅう。もんでございます。
エサ取り対策不要でかつ大物が釣れるのっこみシーズンがいよいよ本格的になってきましたね!
ただしまだまだ間の戻りで海は真冬のまま。海は季節が大体一ヶ月程遅れますので、今は2月末のイメージを持ったほうがいいですね。

エサ取りは皆無に近いと思いますが、今後暖かくなるとフグやらスズメダイやらが湧いてきます。そんなエサ取りに極端に強い釣り方をご存知でしょうか。

今回はその釣り方のお話。ではいってみましょ!

 

紀州釣りの紀州って?別名もあるよ

紀州釣りは江戸時代中期より始められたと伝えられています。
発祥地は和歌山県雑賀崎水軒一文字だとされてますね。和歌山は別名紀州と呼ばれているのでそこから来ているとされています。

また、紀州釣りの別名は【大名釣り】と言われていますね。この理由は、紀州釣りのダンゴには押し麦やサナギ粉にヌカなどがたくさん使われており、

マキエに押し麦を大量に使う事は非常に贅沢だったんですね。そんな贅沢な釣り方は大名でもなければできないとのことで贅沢な釣り、大名の釣りと言われました。

紀州釣りの特徴

チヌ釣りが好きな方々には言うまでもないのですが、紀州釣りの特徴はツケエ周りにあります。
フカセではむき出しのツケエを投入し、柄杓でコマセを撒いてツケエをカモフラージュし魚に口を使わせます。そう、フカセではツケエは【むき出し】です。
紀州釣りはツケエをコマセダンゴで【完全に包み隠し】ます。コマセの粉でボール状にツケエを包み込み、完全に隠してしまいます。
フカセでは鈎の部分にオキアミがついてるだけですが、紀州釣りでは針の部分に握り拳程のダンゴがついてるんですね。投入時に紀州釣りをしていることが一発でわかります。
ダンゴで完全にツケエを包んだ状態で底まで落とすので、エサ取り程度の魚はツケエに触れる事すらできませんのでエサ取りに非常に強いんです。

そんなコマセの鎧をまとったツケエをドスンと一気に底まで沈め、じわじわとコマセが溶けて匂いと煙幕でチヌを寄せます。

そしてコマセが水を吸い続け、ダンゴが割れた時にツケエが飛び出してきます。この瞬間がアタリのでる最も期待値が高い瞬間です。

使うウキは棒ウキが適切

私は前回の柄杓折れ事件があった釣行では円錐ウキしか持ち合わせていなかったので円錐ウキで紀州釣りをやっていたのですが、やはりダンゴの状況把握の為には縦に長い棒ウキが紀州釣りには適切です。

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握り拳ほどのダンゴをつけた状態で仕掛けを沈めて、棒ウキのトップが少し出るくらいにタナを設定しましょう。そしてダンゴが割れたらダンゴの重みが抜けて仕掛けが浮き上がり、通常の浮き具合になります。

この【ダンゴが付いて沈み気味】の状態と【ダンゴが外れて浮いた】状態がハッキリわかるのが棒ウキです。
ウキのトップが出るか出ないかの状態から、ダンゴが割れれば15cmほどウキが飛び出したとすれば【ダンゴが割れた瞬間ツケエが15cm上に跳ねる】という事がわかります。

この跳ね幅を大きくしたり小さくしたりするにも棒ウキの方が目に見えやすいです。円錐ウキは小粒なのでそういった細かな情報を捉え難いんですね。

円錐ウキが少し沈んでいても「何cm沈んでいるか」は正確にわからないですからね。

 

紀州釣りと似て非なる釣り方

初心者の方は「どっちも同じじゃないの?」と思うかもしれない釣り方があります。
【食わせダンゴ釣り】と【紀州釣り】です。食わせダンゴ釣法とは、チヌ釣りの大御所である遠矢国利さんが日本で最も習熟されている釣り方です。

遠矢ウキはチヌ師なら誰でも聞いたことがあると思います。この食わせダンゴ釣法は紀州釣りの強みである【対エサ取り防御力】を持ったうえで、紀州釣りの弱点である【タナが決めれない】という点を解消した、非常に汎用性が高い釣法です。
この釣り方は別の機会にお話しますね。今は紀州釣りは大きなダンゴ、食わせダンゴは小さなダンゴと思っていただいていれば大丈夫です。

紀州釣りはチヌ初心者にもっともオススメ

紀州釣りは柄杓を使ってダンゴを遠投する場合もあるんですが、基本的にソフトボールのピッチャーのように【アンダースロー】での投入で問題ありません。柄杓でのコマセワークが無いんですね。

その理由としてツケエを包んでいるダンゴ自体が水中で溶けてコマセになるからです。
という事は?そうです。紀州釣りが初心者にオススメな理由として、コマセとツケエの同調が投入するだけで完璧に演出する事が出来ます。

ツケエにダンゴが着いてて、着底後ゆっくりダンゴが溶けるんです。ツケエからコマセが溶けだすんですから完全同調するのも当然ですよね。
これこそが最もチヌ釣り初心者にオススメしたい理由です。潮の速さや二枚、三枚潮などの流れ方など経験が無ければコマセとツケエの同調が難しい状況でも、確実にコマセとツケエが一致します。
そしてダンゴが鎧となり、エサ取りがツケエを触ることもできないので、エサ取り回避技術が無くてもチヌの口元にツケエを運べます。とても合理的で完成度の高い釣り方ですよね!

唯一の弱点はタナ調整

紀州釣りの強みは十分に理解いただけたかと思います。ここまで読んだだけなら紀州釣り万能すぎる!となるかもしれませんが、やはり弱点もあるんです。

それを理解した上で釣り方を選択していきましょう。

紀州釣りの弱点、それは底しか釣れないということなんです。
「え?チヌは底付近の魚だろ?問題ないよ」
と思うかもしれませんが、【チヌの本当の遊泳層】の記事にに書いた通りチヌは本来中層あたりを回遊する魚です。海底に這うように移動する魚ではありません。

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上の記事にも書いた通り、セル石で一枚上げた時も2ヒロ半から3ヒロ程度と、底から1ヒロ以上浅いタナで釣り上げています。
そういった【チヌが浮いている状況】では威力が半減するんです。もちろん底付近にいるチヌは釣れるのですが、底以外のタナにいる食い気のあるチヌは無視するという勿体ない事になります。
フカセではタナを自在に変化させ全ての層の獲れる魚を獲っていくことができるんですね。紀州釣りはダンゴを底ベタベタに沈めてからの勝負なので、底付近の魚しか狙えない。という事を覚えておいてくださいね。

ダンゴの投入の仕方にもコツがあるのですが、それを書きだすとまた長くなりそうなので、それは別の機会にお話しします!

まだまだコマセの同調もよくわからなく、潮の流れもわからない初心者の方は是非紀州釣りで最初の一枚を手にしてみてくださいね!

 

それでは!